マラセチア外耳炎は、耳の中に常在するカビ(真菌)の異常増殖によって引き起こされる耳の炎症です。
特に梅雨から夏にかけての高温多湿な時期に発症・悪化しやすく、強いかゆみや独特のにおいを伴うのが特徴です。
1. マラセチア外耳炎の原因
• 常在菌: 原因となる「マラセチア」は、健康な皮膚や耳の中にも普段から潜んでいるカビ(酵母様真菌)の一種です。
• 異常増殖: 普段はおとなしい菌ですが、耳の中の「温度」「湿度」が上がり、「皮脂(脂汚れ)」が増えることで一気に増殖します。
• バリア機能の低下: アレルギー体質、耳の構造(垂れ耳など)、不適切な耳掃除によって耳の皮膚バリアが壊れると、菌に突破されやすくなります。
2.主な初期症状
マラセチア外耳炎になると、以下のようなサインが現れます。
• 激しいかゆみ: 後ろ足でしきりに耳を掻いたり、壁や床に頭をこすりつけたりします。
• 黒・こげ茶色の耳垢: 湿った油っぽい、暗い色の耳垢が大量に出るようになります。
• ツーンとする異臭: 独特の酸っぱいにおいや、発酵したような悪臭が漂います。
• 赤みと腫れ: 耳の入り口や奥の皮膚が赤く腫れ、触ると痛がったり嫌がったりします。
3.治療方法
放置すると慢性化し、中耳炎や内耳炎へ進行する恐れがあるため、早期の受診が大切です。
① 耳道の洗浄: 薬の効果を高めるため、まずは耳の中に溜まった余分な耳垢や皮脂を専用の洗浄液でキレイに洗い流します。
② 抗真菌薬の投与: マラセチアを抑える「抗真菌薬」が含まれた点耳薬を処方。
③ 根本原因へのアプローチ: アレルギーや免疫低下が背景にある場合は、その根本治療を並行して行います。
アレルギー体質のワンちゃんネコちゃんは、特に要注意!
アトピー性皮膚炎や食物アレルギーを持っている場合は、外耳炎になりやすいため注意が必要です。
アレルギー体質の皮膚は、生まれつきバリア機能が弱く、とてもデリケートです。そのため、アレルギー反応が起きると耳の皮膚が赤く腫れ、マラセチア「皮脂(脂汚れ)」が過剰に分泌されてしまいます。
「お薬を塗ると一度は良くなるけれど、やめるとすぐにぶり返す……」
繰り返す外耳炎の背景には、アレルギーという根本的な原因が隠れていることが少なくありません。
「アレルギーそのもののコントロール」も一緒に考えていきましょう。
4. 日常でできる予防とケア
マラセチア外耳炎は非常に再発しやすい病気です。日頃のコントロールが重要になります。

5.早期発見のための「チェック」
おうちでのケアに加え、病気のサインを見逃さないことが大切です。
☑ ニオイ:体や耳から「脂っぽいニオイ」や「発酵したような独特なニオイ」がしないか
☑ 仕草:しきりに体をかいたり、耳を痒がって頭を激しく振ったりしていないか
☑ 耳垢:耳の中に「ベタついた茶色〜黒っぽい耳垢」が溜まっていないか
6.異変を感じたらすぐ動物病院へ
ご自宅での正しいスキンケアと環境管理で、多くの皮膚・耳トラブルは予防できます。
すでに赤みやかゆみが強い場合、おうちケアだけでは治らないケースも多いです。少しでも「おかしいな」と思ったら、動物病院に相談しましょう。




