皮膚トラブルを引き起こす代表的な2つの原因菌ですが、これらは普段、健康な皮膚にも存在する「常在菌」です。環境の変化によって悪さを始めます。
■ どうして急に悪くなるの?
普段はおとなしい菌が急に増殖するのは、以下のようなきっかけで皮膚や耳の中の環境が変わるためです。

1.マラセチア(真菌=カビの仲間)
皮膚や耳の中に「もともと住んでいるカビ」の一種です。
• 特徴:脂っぽくてジメジメした場所を好みます(皮脂と湿気が大好物)。
• 要注意の部位:耳、指の間、わきの下、首回りなど、湿気がこもりやすい場所。
• サイン:強いかゆみ、ベタつき、独特なニオイ、黒〜茶色の耳垢。
• 基本の対策:こまめな除湿、皮脂を落とすスキンケア。
2.細菌(ブドウ球菌など)
皮膚や鼻などに常に存在する、代表的な常在細菌です。
• 特徴:皮膚のバリア機能が落ちた場所、傷口、蒸れた環境を好んで増殖します。
• サイン:皮膚の赤み、ポツポツとした膿疱(ニキビのようなもの)、フケ。悪化すると痛みを伴います。
• 基本の対策:皮膚を清潔に保つ、引っかき傷を作らせない環境づくり。
• マラセチアと細菌は、同時に増殖して「混合感染」を起こすことがあります。
■ こんな症状に気づいたらサインです
愛犬・愛猫に以下のような様子が見られたら、皮膚や耳の中で菌が増殖しているサインです。
どこに出やすい?
1. お腹・体の「赤いぷつぷつ」(膿皮症)
見た目の特徴:お腹や背中の毛が薄い部分に、ニキビのような赤い湿疹やフケが円形に広がります。体を頻繁にかゆがる、触ると皮膚がペタペタしている
2. 耳の「ニオイ・ベタベタ耳垢」(マラセチア外耳炎)
見た目の特徴:耳の中が真っ赤に腫れ、チョコレートのような茶褐色〜黒いベタついた耳垢が大量に出ます。耳を頻繁に振る
3. 足の裏の「赤み・なめ壊し」(趾間湿疹)
見た目の特徴:指の間の皮膚が真っ赤に腫れ上がり、気にしてずっと足の裏をなめたり噛んだりします。
■ 予防対策
1. こまめな除湿(環境コントロール)
• 室温・湿度の管理: エアコンや除湿機を使い、湿度60%以下をキープします。
• 濡れたらすぐ乾かす: 雨の日の散歩後やシャンプー後は、地肌までしっかりドライヤー(冷風〜弱温風)で乾かします。
2. 皮脂を落とすケア(スキンケア)
• 適切なシャンプー: 動物病院で相談の上、クレンジングやシャンプーを使用します。
3. 耳掃除の注意点(一番大事!)
・耳の掃除時の綿棒は汚れを奥に押し込み皮膚を傷つけて菌を増やす可能性があります。お家では、表面に出てきた汚れを優しく拭き取るだけで十分です。
4.ブラッシングで通気性UP
抜け毛がたまっていると皮膚が蒸れてしまいます。こまめなブラッシングをしてあげてください。
■ 病院での治療
治療の基本は、原因菌の適切な薬の投与、菌の住処(すみか)をなくすことです。
■ 治療の最も大事なポイント
• 「カビ(真菌)」と「細菌」では、効くお薬が180度異なるため、必ず病院で顕微鏡検査を行い、菌の種類を特定してから正しい治療を行います。
• また、お薬で一度キレイになっても、アレルギーなどの体質があると非常に再発しやすい病気です。「治ったかな?」と思っても自己判断で薬をやめず、根気強く治療していきましょう!




